【加害恐怖】 不法投棄で逮捕されるのでは?
私の加害恐怖エピソードの中で最も強烈なのが、不法投棄事件です。
食べかけのプリンを、河原に不法投棄してしまった事件です。
事件の発端
深夜の河川敷を自転車で走っていた時のことです。
川の水のすぐ脇まで行き、そこで休憩を取ることにしました。
コンビニで買ってきたプリンを食べていると・・・ボトっとプリンが地面に落ちたのです。
もったいないと思いつつ、そのまま帰宅しました。
加害恐怖が表れる
帰宅後、就寝しようと布団に入ったころ、
あのプリン片付けなくていいのか?
不法投棄だよね?
プリンの不法投棄なんて聞いたことないけど、不法投棄には違いない。
もしかしたら、公共の場を汚したということで逮捕されるかも?
近くに監視カメラがあったかもしれない。
こんな考えが浮かんでくるのです。
プリン落っことして逮捕されてたら、日本国民全員逮捕経験者だろ。
私有地ならまだしも、河原だぞ?
なにバカなこと考えてんだ・・・。
と冷静な自分も登場します。
でも、シンガポールなら逮捕されるかもな。
唾吐いただけで逮捕されるんだから。
いやいや、ここは日本だ。
日本でも、家具家電が道に捨ててあったりするし、実際それは逮捕されるよね。
家具がアウトでプリンがセーフな理由はあるか?
鉄橋が近くにあるから、その監視目的でカメラがあってもおかしくない場所だよな。
結局、強迫性障害な自分が冷静な自分に勝ってしまったのです。
不安を消すための行動に出る
既に深夜3時頃だったと思いますが、河原に戻ってプリンを片付けにいくことにしたのです。
清掃用具として、ダンボールの切れ端とビニール袋を持参して。
深夜の河原は真っ暗なので、携帯電話の明かりを頼りに、プリンを探しました。
すると、コンクリートの地面にベッチャリと落ちているプリンを発見しました。
ダンボールの切れ端でプリンをかき集め、ビニール袋にいれることにしました。
しかし、お察しの通り、コンクリの上のプリンをかき集めるのは、非常に困難です。
ちょっとだけ回収した時点で、俺なにやってんだバカバカしい!と冷静な自分が表れて、帰宅することにしたのです。
二度目のプリン回収作業へ向かう
再帰宅後、またも布団の中で、強迫性障害な自分が顔を出しました。
おいおい、わずかに回収したけど、大半は残ったままだよな?
いいのかプリンを不法投棄したままだぞ?
「一度回収に行ったってことは悪いことをした自覚があるってことだろ」って警察に言われるぞ?
しまった・・・下手に回収なんか行くんじゃなかった・・・。
よし、もう一度プリン回収作業へ行くぞ!
ということで、二度目のプリン回収作業へ出かけました。
河原についたときには、あたりは既に明るくなっていました。
プリンの不法投棄現場に到着したとき、予想外の光景を目の当たりにしたのです。
なんと、プリンのすぐ近くで、おじさんが釣りをしていたのです!!
これは近づきがたい・・・。
しかし、プリンを回収しないと逮捕の不安が消えない・・・。
私は意を決して、プリンの回収作業を始めました。
やはりプリンは回収困難。
釣りのおじさんは、こちらにはなんとか気が付いていない模様。
そんなときに絶望的な出来事は発生。
おばちゃん二人組がこちらに向かってきたのです。
朝のウォーキングですよ。
健康的ですな。
このままだと、おばちゃん二人組の視線がプリン回収作業中の私に注がれることは間違いない。
さすがにそれは恥ずかしいし、何よりも証拠隠滅現場を見られてしまう。
ということで、プリン回収が終わらぬまま、私は逃げるようにしてその場を立ち去りました。
三度目のプリン回収作業へ
またまた帰宅したものの、釣りのおじさんやウォーキングのおばちゃんたちに遭遇したことで、証拠隠滅の目撃者ができてしまったことが、さらに事態を悪化させたのです。
なんとかして、あのプリンを回収して証拠隠滅を図らなければならない。
やるなら今しかない・・・ということで、三度目のプリン回収作業へ向かいました。
もうさすがに自分がやっていることがアホすぎることに気が付いていました。
いや、最初からかも。
河原に向かっている最中、「もうこんなアホなこと辞めたい。逮捕なんてありえないのわかってる。でもやらなきゃならない・・・。」と自分で自分に呆れてしまいました。
そして現場についた私は、プリン回収を完全に断念せざるをえない光景を目の当たりにしたのです。
なんと、釣りのおじさんが3人に増殖していたのです。
さらに、ウォーキングしている人も、若い男女から高齢者までたくさん・・・。
プリンを見るまでもなく、Uターンして帰宅しました。
帰り道に想像した光景は以下の通り。
- KEEP OUTのテープで規制線を貼る警察。
- プリンを採取する鑑識班。
- 早朝に自宅を訪れ、逮捕状を読み上げる刑事。
- 冷たい手錠。
- 「次のニュースです。河原にプリンを不法に投棄したとして・・・」と言うアナウンサー。
そんな考えで絶望しているころ、雨がパラパラと降り始めたのです。
帰宅後はさらに雨脚は強まりました。
神様は私を見捨てなかったのです。
雨によってプリンは完全に溶けてなくなったでしょう。
死体が見つからなければ、殺人事件としての立件は困難です。
プリンが見つからなければ、不法投棄事件としての立件は困難でしょう!
そうして、ようやく私は安堵のなか眠りにつくことができたのです。